記憶の断片を、紡ぐ人々がいる
幼き頃の記憶と、今見える景色
あの頃より狭くなった道を戻る
そして始まる
わたしが生まれ育った
小さな街の物語
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放課後の寄り道、駄菓子屋だった場所
遠ざかる踏切の音、路地裏の行き止まり
そこが、幼きわたしの隠れ家
かすれた文字の看板
消えかかった蛍光灯
笑い声も、歌声も、泣き声も、怒声も
入り混じった夕焼け
それは唐突に終わりを告げ
静寂が、街を宵に包んでゆく
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街灯の下、今からこの場所が
私たちの舞台
今日一日だけ、交わされる音を
1枚の記憶に紡いでゆく
時を重ねる、未来の私たちへと